もっと知りたい!フラダンスについて
日本国内でもイベントなどで『フラダンス』、よく目にするようになりましたね。
では『フラ』とはどのように生まれたのでしょうか?
フラの起源
フラダンスはいつ頃から誕生したかご存知ですか?
まず、フラの発祥地はハワイという説と、タヒチから移住した人々がもたらしたという説があります。
現在は、タヒチから移住した人々がもたらしたという説が有力のようですね。
では、その時期は……?
いつ頃からかというと、はっきりと記されたものがなく、『古代から』としか言えません。
日本でも、縄文時代やそれ以前の頃から南方系の人々と交流があったといわれているので、
そこから考えると、古代の人々の間で伝承されていた、ということになるのではないでしょうか。
フラは、人の声と身体によるスムーズなジェスチャーが織りなす、伝統的な芸術です。
古来、ハワイにおいてフラは、『火山の神(火の神)ペレ』に捧げる踊りとして始まったとされています。
フラの女神とされているのは『ラカ』であるという説もありますが、
火の神ペレの妹である『ヒイアカ』が、ペレの怒りを鎮める為に始めた踊り、
それがフラの始まりといわれています。
女神ラカは、人々から祈りを捧げられ、時にはフラダンサーから首飾り(レイ)を捧げられ賞賛されてきましたが、
それらはより現代に近い時代になってからのことであるとも言われています。
しかし、古代ハワイでは文字という概念がなく、言葉だけで伝えられてきた歴史でもあるので、
様々な神話が存在するのも事実です。
ただし、メレ(歌)はヒイアカやペレの話を歌うものが多くあります。
フラが始まる時には、男たちによってチャント(メレ)が唱えられます。
男たちがメレを歌い、女のダンサーたちがメレを身体で表現していました。
メレの楽器には、鮫の皮でできたドラムを叩いたり、ヒョウタンを叩いたとされています。
また、身に着けていた衣装は草で編まれたものではなく、
女性はタパと呼ばれる桑の木の皮を叩いて布状にしたものを身体に巻き付け、
男性は同じくタパをふんどしのようにして身に着けていたとされています。
現在では、レイやブレスレット、ネックレスをフラの際には身に着けることがありますが、
当時は女神ラカへ捧げる為に祭壇に祭られていたとされています。
神に捧げる踊りという目的の他に、文字のない時代に文化や伝統を伝えるものであるとするなら、
まさしく古代から発祥したと思われます。
フラが禁止された時代がある・・・?
1820年のアメリカから、キリスト教の宣教師団がハワイに上陸します。
この時代、フラダンスを踊る際は、男性は『マロ』といわれるふんどし姿、女性は腰ミノだけでしたが
それを見た宣教師たちには、露出の多いフラの衣装が下劣だと思えてしまいました。
そして、1神教であるキリスト教を信仰させるために、当時の女王・カフマヌ(カメハメハ大王の妻)に、自然界の神々を崇拝するフラとオリ(朗唱)を禁止するよう、進言します。
なんと、女王はこれを受け入れ、カメハメハ2世に命じ1830年公式の場でのフラの禁止令を発令したのです。
さらには、女神ラカを祭っていた祭壇を破壊してしまいます。
この出来事によって、フラは一時廃れてしまいます。
カメハメハ大王3世は、1830年代に宗教の自由を主張し、フラを戻そうと努力しましたが、
あまりうまくいかなかったとされています。
その後、1874年にカラカウア大王によって禁止令が解かれるまでの約50年もの間、
フラは批判され、公の場から姿を消すことになったのです。
カラカウア大王によって復活したフラですが、1898年ハワイがアメリカに合併され、ハワイ王朝は崩壊。
アメリカとなったハワイでは、ハワイ語を話すことを禁じられ、伝統に根差したカヒコ(古典フラ)は衰退していく一方の時代がやってきます。
ハワイのアメリカ化によって、本来の意味をなくしかけていたフラですが、
1970年代に世界中で少数民族独立の動きがあり、ハワイでも伝統文化を復活させようとする運動が活発になりました。
1971年、こういった運動で民族意識が高まり、ハワイの人間国宝でもあるクムフラ(フラの先生)ジョージ・ナオペ氏や、他数人のクムフラが中心となり、
競技形式のコンペティションが開始されると、衰退していたカヒコも注目を集めるようになりました。
旅行好きだったカラカウア大王は、フラをフェスティバル(お祭り)の一環として取り入れ、
カラカウア大王を讃える踊りとしてのフラを賞賛しました。
一説によると、このようなフェスティバルで踊られるフラは、
宣教師への不満や文化を歌いながら笑顔でフラを踊っていたとされているそうで、
このようなことが今日の笑顔を絶やさずに踊るフラに繋がっているのかもしれません。
フラダンスの衣装
ゆったりとした動きに合わせてふんわり揺れるスカートは『パウスカート』と呼ばれます。
ウエストにゴムが3~5本入っていて、シャーリング状になっています。
スカートに使用される生地は、ハワイらしいお花などをモチーフとしたものや、トロピカルな色合いのものが多いのが特徴です。
また、パウスカートを履くときには、頭からかぶるのが正式なスタイルだと言われています。
これはフラが本来神への敬意を表すものだったため、脚から履くのは失礼にあたるとされているのです。
フラダンスはロングヘアでなければいけない??
フラのシーンを思い出してみると、ショートヘアの女性がフラを踊っているシーンは思い浮かびますか?
きっと、みなさん「NO」だと思います。
というのも、フラをする際は、ロングヘアでなければいけない理由があるのです。
ハワイでは髪の毛にもマナ(神聖な力)が宿っていると考えられていて、師の教えや自信が学んだものが
全て神に蓄積されていくと信じる人が多いのです。
そのため、本格的にフラを学ぶ人は、自分の意志で髪を切ることが出来ないとさえ言われています。